山井綱雄 シテ公演 円満井会定例能

日時: 平成31年3月2日(土) 12時30分開演
於 :矢来能楽堂 東京都新宿区矢来町60
東京メトロ東西線「神楽坂」駅 2番出口より徒歩2分
都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」駅 A1出口より徒歩5分

能:「鉢木」シテ 山井綱雄
能:「羽衣」シテ 安達裕香
能:「融」 シテ 岩松由実

入場料(全席自由席)

一般         5,000円
25歳以下優待券   2,500円

チケット取扱い・お問い合せ

山井綱雄事務所
Tel  070-6526-0270(受付時間 平日10:00~18:00)
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<鉢木 解説 山井綱雄より>

旅の僧に身を変じた北条時頼(ワキ)は、諸国を廻る旅の途中、佐野(現在の栃木県佐野市)の辺りにて大雪に見舞われ前後を見失い、一夜の宿を乞う。
佐野源左衛門常世(シテ)は、領地を横領され今は没落した貧しい身と成り下がっていた。僧の乞いに一旦は断る常世であったが、常世の妻(ツレ)から僧を泊める功徳を説かれ、思い止まり僧をあばら家に泊める。
大雪の極寒の夜、常世は僧に粟の飯を振る舞いつつ、一族秘蔵の鉢木を惜し気もなく薪にして暖をとり、振る舞うのであった。
「鎌倉に一大事あればいつでも一番に馳せ参じる」。目の前の僧が最高権力者北条時頼とも知らぬ常世はそう息巻き、翌朝には互いに名残惜しく別れるのであった。
後日、鎌倉に戻った鎌倉幕府第五代執権北条時頼は、全国の武士に鎌倉集結の触を出し、一番に馳せ参じた一団の中にいる常世を目の前に呼び出す。
目の前に鎮座する北条時頼公があの旅の僧であったことを知った常世は大いに驚き無礼を詫び、時頼はあの時の厚意に感動し広大な領地を与え、常世はその後大いに栄えることとなったのであった。
名作ドラマ「水戸黄門」「暴れん坊将軍」の原典のような、江戸以降の武士階級に愛された名曲。そして台詞劇のようなこの作品は「ハラでいかに演じるか」という能の劇的要素の集大成のような作品でもある。

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前身の「三春会」十四歳での能「田村」より三十一年に及び勉強させて頂きましたこの「円満井会」でのシテ役を、今回にて「卒業」させて頂くこととなりました。「卒業」に相応しい大曲、心して勤めさせて頂きます。